読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

跳ねる柑橘の段ボール箱

柑橘系アラサー男子が、思うところを書くところ

朝日地球会議2016に参加してきました(その2)

こんにちは、跳ねる柑橘です。

前回に引き続き、朝日地球会議2016の参加レポートです。

今回は、10月3日に行われた2日目の内容を書きます。

帝国ホテル孔雀東の間(!)で行われました。

それではよろしくお願いします。

 

(目次)

 

 

 

 

2日目に参加したプログラム

前回記事の序盤と重複しますが、2日目に私が参加したプログラムを列挙してみます。

朝日地球会議2016|朝日新聞

・主催者あいさつ

・来賓あいさつ

・講演 持続可能な環境とビジネス 低炭素経済に向けたグリーン投資

・講演 グローバリズムの危機

・パネル討論 いま、地球で起きていること

スペシャルトーク サッカーボールが未来を照らすーFCバルセロナの挑戦

 

全部書くと疲れちゃうんで(?)、

詳しく書くものと概要だけのものがあります。

 

 

主催者あいさつ

朝日新聞の渡辺社長のあいさつでした。
途中で入場したので、内容は割愛します。

 
来賓あいさつ

キャロライン・ケネディ駐日アメリカ合州国大使

初めてケネディ大使の講演を生で聴く機会でした。

少し癖があるものの、同時通訳無しで苦労なく聴ける講演で助かりました。

朝日地球会議の前身のイメージが伝えられていたのか、環境についてのメッセージが多かったのと、女性の人権について、あとは日米同盟の有用性について、

とまとめられる内容でした。

なんとなーくですが、overfishingという単語が目立ったなぁ。

というのは何らかのメッセージだったのか、それとも気にしすぎなんですかね。

 

講演 持続可能な環境とビジネス 低炭素経済に向けたグリーン投資

玉木林太郎 OECD事務次長

OECDの事務次長が日本人だったtぃうことまずは驚きでした。

IAIAの会長もそうでしたが、意外と(と言っては失礼ですが)、

国際機関で活躍されている日本人は多いみたいですね。

 

テーマは「環境と開発、とビジネス」みたいな感じでしょうか。

気候変動についての「パリ協定」が2015年のCOP21で調印されましたが、

そこには温暖化ガスの排出減ではなく、ネット・ゼロしようという目標値が明記されているそうです。

 

ネット・ゼロとは、

「XX年の頃の排出量に戻しましょうねー」とか、

「XX年比75%にしましょうねー」とかではなく、

世界の温暖化ガス排出量が全体でゼロになるようにしようということです。

代表的な温暖化ガスであるCO2、そのCO2は樹木や地中などに一定量吸収されます。

人間の活動で排出する量を、その吸収量の範囲内に抑えましょう、ということです。

…できるんですかね。

 

このような国際的ルール(目標?)づくりの動きと同時に、

エネルギー問題の世界では、

Carbon Priceという分野の事が活発に取り組まれているようです。

Carbon Priceとは、私たちがガソリンを買う時に支払っている

ガソリン税などの個別エネルギー税や、炭素税といった課税、

そして排出権取引(ETS)などを言います。

日本はまだ国レベルでのETS制度はありませんが、

アジアだと中国や韓国でETSの制度が進んでいっているようです。

あとは国内だと東京と埼玉という県単位での制度化がなされています。

なんとなくなんですが、関東の県は島根とかの地方で人口が少ない県と

取引協定を結んだほうがいいんじゃないか、というイメージがあります。

 

と、まあこんな感じの話をされていました。

もうずっと昔から言われてるフレーズで信憑性がよくわかりませんが、

「石油が30年で枯渇する!」というのが私が高校生の頃もまだありました。

いま、これあまり聞きませんよね。

シェールガスとかも話題になったし、

資源の有限性というキーワードが廃れているんでしょうか?

危機意識の中身が

資源がなくなったらエネルギーどうすんの⁉︎

というものから

このまま燃やすと(なくなるかもしれないし)大気がヤバい!

にシフトしている。

私の30年無い人生の中でも、

グローバルイシューの内容は変化している、その事を実感する分野です。

 

講演 グローバリズムの危機

エマニュエル・トッド 人類学・歴史学

聴講者1番のお目当てだったでしょう、トッド氏の登場です。

ソ連崩壊、アメリカの金融危機アラブの春Brexit(イギリスのEU離脱)

などを予測した、「予言者」とも言われるフランスの学者です。

一言で言えば、全体を通して非常に面白い講演でした。

グローバリズムの終焉」、つまり資本主義経済の理念を掲げ、

ホモ・エコノミクスが謳歌する時代が終わり、再び国家に回帰していく

という主張を軸に、

ヨーロッパやアメリカ大統領選挙など幅広い内容を語られました。

 

覚えているもの(あとメモ書きで読める範囲)で話題をあげると、

・アメリカにおけるグローバリズムの醸成のされ方

・トランプとヒラリー両候補と大統領選について

・米英におけるグローバリズムの崩壊

格差社会における教育問題、その社会への影響

・米英と大陸欧州そして日本の性質の違い

・ロシアの国家観

グローバリズムと教育、移民という人的資源の輸出入

・日本の今後のあり方

・移民難民について

 などなど…濃密でした。

 

トッド氏は、

日本が今後それらしく社会や経済を転換させることは可能だとしつつ、

ほぼ唯一の問題として人口減をあげました。

アベノミクスなどまさにそうですが、現政権は経済政策を軸に日本社会の立て直し、

再活性化を目指しています。

しかしトッド氏は人口問題を考えの中心におくべきだと主張していました。

ここが前回記事に書いた小泉代議士の主張と比して面白いところです。

小泉代議士は、

「人口は減っていくのはしゃあない。

減っていくのは前提として、その中でどう自信と楽観を持てる国にしていくか。

それが出来ればいつか人口も下げ止まる」(的なニュアンス)

として、特に農政を中心に経済、経営を軸とした未来を語っていました。

 

私にはその是非を断じれません。

日本の農業が内向きであり、経営感覚に欠けているのは事実だからです。

ただ、今後の産業構造を考える時、農業を輸出産業とする青写真で良いのか?

疑問があります。

仮に産業構造のベストミックスとでもいうような考え方があるとして、

日本の現状と展望を見て、農業を輸出産業にしていく必要があるのでしょうか?

 

一方で、人口減を受け入れる、テクノロジーをフル活用するなどの諸々の要因で

経済社会規模をスリム化していくとしても、

良質な人的資源を生み出していく体制を作っていかないと、それは頓挫してしまう。

だから人口問題への対策は絶対に急務でしょう。

トッド氏は1980、90年代から日本の人口問題は叫ばれてきたが、

目立った対策をしていないのが妙だ、と指摘していました。

耳が痛くなりますねー。

 

………と、ざっと印象の強いシーンだけを取り上げましたが、大変面白い講演でした。

 

一番面白かったのは、

ヒラリーは「アメリカは今も世界で影響力がある偉大な国で云々」と言うが、

トランプは「見ろよこのアメリカの惨状を!ひどい!立て直さねーと!」と叫ぶ。

アメリカの実情を正しく伝えているのは実はトランプだったりする。

と言っていたことでした。

まあ、女性差別発言をはじめとして、言い方やそもそもの資質、みたいなところは

かなーり問題がある気はしますが・・・。

 

ヒラリーは、女性であること以外は、

グローバリズムの中でアメリカが中心であり続けるべきとし、

米国内では、所得の上位数%の「持てる者」達の支持を得る存在、

として、今までの政治家、大統領と変わり映えのしない候補者である一方、

トランプはよく言われる白人の貧困層だけでなく、

所得格差の問題で一番影響を受けている中産階級の言葉を代弁している。

だからこれだけ勢いを持ち続けてここまで来ちゃったんだ。

またサンダース旋風が一時あったが、あれも、新卒や大学生といった

若い世代の支持を受けたため、一定の勢力としてしばらく居続けた。

このトランプ・サンダース旋風は、Brexitなどとも構造の類似性がみられ、

また、日本でもちょっと前に話題になったピケティも、

中産階級がないがしろにされている現代社会経済の問題点を指摘していた、

と話していました。

ピケティもフランス人。同じフランス人として話に出してくるのはさすが。

というか日本でのピケティブームって割とスーッと消えちゃいましたが、

学術界や国際社会的には彼の影響力ってまだあるんでしょうか?

気になりました。

 

なおトッド氏はトランプはひどい候補者だが、

ヒラリーを見ると蕁麻疹が出るとかなんとか言ってました。笑


パネル討論 いま、地球で起きていること

藤崎一郎 前駐米大使 日米協会会長
今村久美 認定NPO法人カタリバ代表理事
神里達博 千葉大学教授
エマニュエル・トッド

 

先のトッド氏の講演を踏まえ、

バックグラウンドの異なる3人とトッド氏を加えた4人のパネル討論でした。

 

藤崎一郎さん

前駐米大使ということで日米関係などの外交的な視点からのコメントや質問

神里教授

理系のご出身ということで、グローバル化におけるリスクという点からのコメント

今村久美さん

被災地などで生徒児童の教育について活動されている方で、

2人とはちょっと毛色が違くて、比較的ローカルな目線からのコメント

と、コメントにも個性が見られました。

 

このパネル討論の中でも中心はトッド氏だったのですが、

改めてトッド氏のいう「国家への回帰」の国家とは何かと言うと、

環境保護や社会保険、医療、経済政策、警察権といった施策を取る国家のことです。

グローバリズムの中でも国家が消えさらなかったのは、

それらの施策を代わってとる存在が無いためでしょう。

EUは経済統合の次に政治統合を目指していましたが、

国民国家システムを脱却しようとしたことで、進むどころか

ブリュッセルで何も決められない事態に陥っている、とトッド氏は糾弾していました。

 

討論では色んな話がありましたが、

日本と移民についてのくだりで、今村さんが挙げた、

移民の数は昔から結構いて、それが少しずつ増えている。

日本にいる外国人が増えたのは最近に始まったはなしじゃない。

なのにこれまでそうした駐日、在日外国人の存在は無くて

最近「湧いてきた」かのように話すのは何故か。

というのも面白い話でした。

今村さんが示したスライドによると、

2014年には90万人の外国人労働者が日本にいたようです。

(このデータのスライドをトッド氏はスマホで撮影していました。笑)

 

多分、昔と違うのは日本のどこに入っていっているかでしょう。

JETプログラム(英米豪加などから英語講師として日本に派遣するプログラム)が

一昔前から活発化し、地方都市でにも外国人が来て働いたりということが

増えたことで、我々が肌で感じる外国人の数が増えたんだと思います。

ただ、やはり日本人や日本の社会そのものが、どこか外国人がいることに戸惑っている

雰囲気はあります。

文化的な違いであったり、日本語を話さないことであったり…

きっと、制度面の早期の整備とともに、

生身の人間として外国人の存在に慣れていく時間をとること

その両方が必要なのでしょう。

 

スペシャルトーク サッカーボールが未来を照らすーFCバルセロナの挑戦

ジョルディ・カルドネル FCバルセロナ副会長(※)

宮本恒靖サッカー日本代表 ガンバ大阪ユース監督

(※ もともとはジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が登壇予定だったが変更)

 

個人的に一番楽しみだったセッションです。

私はカルドネルさん=バルサのライバル、レアル・マドリーのファンですが、

サッカー好きとして、その立場は関係無く楽しみでした。

 

また、宮本さんは現役引退後、国際サッカー連盟(FIFA)のスポーツ学修士課程

FIFAマスター」を受けていたんですが、

その頃から進めている、ボスニア・ヘルツェゴヴィナでの

スポーツアカデミーの取り組み、私はこれにかなり関心がありました。

 

宮本さんはボスニア・ヘルツェゴヴィナ(以下BiH)のモスタルという町で

スポーツアカデミーを運営しています。

BiHは旧ユーゴスラビアの国で、

1990年代初頭に内戦、そして分離独立して生まれた国です。

モスタルセルビア系、クロアチア系、ムスリム系(ボシュニャク人)と、

人種や宗教、言語の異なる人々が暮らしている町で、

内戦前はそんな違い関係なく暮らしていたのですが、内戦を機に隣人同士傷付け合う

事態になってしまった過去があります。

そこで、宮本さんのスポーツアカデミーは、子供達にサッカーなどスポーツを通じて、

人種や言葉の壁を超えて互いに手を携えることの大切さを知ってもらおうと

取り組んでいます。

 

トークセッションでは、

サッカーがただのスポーツから民族融和や国際交流、教育のツールへと

進化しているということを、バルサのアカデミーなどの実績と宮本さんの取り組みを

紹介しながら進んでいきました。

 

感想:ツネ様スーツ似合いすぎ。

 …もあるのですが。笑

サッカーというスポーツは、一つのコミュニケーションツールとして機能するんだな、

ということを再確認できました。

 

きっとバスケやバレー、野球もその役割を担えると思います。

道具や体育館が必要なのと、競技の知名度の低い国もあるのでその壁はありますが。

団体スポーツは協力と連帯を育むことが出来る可能性を秘めている。

それを感じることができたことが、このトークセッションで得られた喜びでした。

 

実はいけなかったのですが、

私は過去にクロアチアを一人で縦断しました。

クロアチアはBiHの隣国で、

南部の都市ドブロブニクから、日帰りでモスタルに行くツアーもあるくらい近いです。

ドブロブニクモスタルも旧市街が世界遺産に登録されていて、

どちらもきれいな街並みであるとともに、

悲惨な戦争の歴史を語る場でもあります。

 

ドブロヴニクは、イタリアのヴェネツィアのような海に突き出た都市国家です。

ジブリ魔女の宅急便や、紅の豚の町のモデルとも言われています。

アドリア海だし、紅の豚のほうがそれっぽい印象でした。

ドゥブロヴニク - Wikipedia

 

一方のモスタルは川の両側に広がる、山間の町。

川にかかるスターリ・モスト(古い橋の意味)は、

戦争時に落とされてしまいましたが、復元され、

民族の分断、そして再融和の象徴として町一番の見どころになっています。

モスタル - Wikipedia

旅程の関係で行けなかったので、本当に後悔しています。。。

クロアチアについては、また別の記事でご紹介します。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

といっても、私の主観がふんだんに入り込んでいるため、

客観的なレポートではないのですが。

ですので、朝日新聞の特集も見たうえで、

一参加者の感想として見ていただけると。。。

 

私は一応国際政治的な事を学業で修めてきたため、

なんとなくですが、こういった国際社会系の物事について、

自分の見方を持っています。

そして全然違う職業に就いている今も、

そういった分野には関心を持っているため、こうしたシンポジウムなどには、

行ける機会があれば聴きに行ったりしています。

 

ですので、今後もこうやって記事にするかもしれません。

どんどんブログの方向性が意味不明になっていますが(笑)、

「書きたいところを書くところ」ですので、

どうぞ見てやっていただけると、うれしいです。

 

それでは!

本ブログは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。