跳ねる柑橘の段ボール箱

柑橘系アラサー男子が、思うところを書くところ

ワインって、なに ~「ちがい」編~

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こんにちは、跳ねる柑橘です。

だんだん涼しくなってきて、ワインが美味しい季節が近づいてきましたね。

 

夏でも美味しいんですけど、

個人的には、赤白泡とも、秋~冬が美味しいなあ、と思っています。

きっと涼しいのと、日本の場合は蒸し暑さが薄らぐのがあるのかな。

 

でも、ワインって赤白泡とかそもそも何が違うの?

ということ、あると思います。

今回は、そんなワインの色々な「ちがい」について、お話できればと思います。

よろしくお願いします。

 

(目次)

 

 

 

ちがい1:赤白のちがい

まず、色が違いますよね。赤白。

でもすごいですよね、赤白とめでたい色で、

泡(スパークリング)もお祝い事っぽいし、ロゼも桜の色みたいで華やかだし。

…って、日本の伝統とたまたま合致しただけですけどね。笑

さて、色で見ていきましょう。

 

赤ワイン

前の記事でも書いた通り、赤ワインの材料は黒ブドウです。

黒ブドウってなんやねん、と?

・・・巨峰をイメージしてください。ああいうやつです。

白ワインの原料は白ブドウ。マスカットをイメージしてください。

ちなみに、巨峰でワインは作ってないです(と思います)が、

マスカットでワインは作られています。

 

黒ブドウは果皮に赤い色素が含まれているおり、

この果皮も一緒に潰すことで色素が染み出る。

だから赤ワインは赤くなるわけです。

一方の白ワインは、果皮や種を取り除いて造られます。

 

タンニンの有無も赤白でのちがい。

タンニンとは渋み成分で、果皮や種に含まれています。

あとポリフェノールも果皮などから出ているといいますね。

なので種や果皮を取り除かず作る赤ワインは、タンニンが豊富に含まれます。

酸化を防ぐ作用があるため、発酵~熟成の段階ではそれが重要。

ワインの樽や瓶の底に沈んでいる黒いツブツブを澱(オリ)というのですが、

それはタンニンやポリフェノールが結晶化して沈殿したものです。

なので、渋いのは赤ワイン。

ポリフェノール豊富なのも赤ワイン。

 

そして、肉に合うのも赤ワイン

なぜか?理由は、味の強さにあります。

他の食材との比較のはなしですが、

肉そのものが臭みがあり、脂分にも臭み、甘味があるほか、

味付けも下味や仕上げのソースまで、しっかりとつけるものが肉料理には多いです。

それに負けないくらい、

赤ワインも果実味がドン!とあり、渋みもズン!とあります。

つまり、味で負けない。

例えばですが、ほのか~~に梅の香りが漂う、

「梅水」と言えちゃうレベルでうっすらした味の梅酒に、

Tボーンステーキを合わせても、合わないでしょう。

ザックリ言ってしまうと、そういうことです。

 

この話、実はワイン生産地の食とも関係しているといわれています。

例えば、世界有数の牛肉消費国であるアルゼンチンでは、

「いや、マジでちょっと勘弁してくれ、この濃さ」

と言いたくなるくらい、

味が濃くてタンニンごりっごりの品種

マルベック

というブドウが代表品種のひとつにあります。

シュラスコのようなガッツリ肉!を食べるときに、

負けないくらいパワフルなワインをお探しの際は、

マルベックというブドウで造ったワインを探してみるのをオススメします。

 

白ワイン

白ワインに合うのは、白身魚などの魚介類、鶏肉系の料理。

イメージ通りですね。

白ワインの味の特徴は、

スッキリとした味わい、(ブドウ以外では)柑橘系のような風味、そして酸味です。

※ここでは甘口ワインの話は除外してます。

つまり、こうした味わいとマッチする料理は、

比較的スッキリした味で、かつ酸味が加わると嬉しい味わい。

牛肉の脂とは違う「油」な感じのお魚や鶏や、

味の濃さとは別にコクがある貝類などが合います。

 

ちなみに、ロゼワインですが、

ワインをどう見るかで赤の仲間、白の仲間と分類がわかれます。

スパークリングワインも、白ワインの仲間とされる時もあるのですが、

作り方が違うため泡として独立して考えられることもありますし、

色は透明でも黒ブドウを使っている場合もあり、

こちらもどう見るかで分類がわかれます。

 

ちがい2:グラスのちがい

さて、

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ちょっと小さい画像で申し訳ないですが、

ワイングラスって結構いろんな形ありますよね。

この違いは何でしょうか?

ざっくりと言いますと、

デカいワイングラスほど、

変化を楽しむべき赤ワインに使われる

ということです。

わからないでしょうね、私がこう食器屋さんの店員に言われたらコップを買います。

グラスを買おうと思ったときにそうならないように、

また、お店で飲むときにも違いが判ると美味しさが増す…かもしれませんし、

少なくとも楽しさは増すはずです。笑

詳しく、見ていきましょう。 

 

細く優美なフルートグラス

まず、左の画像の細長いグラスは、スパークリングワインが注がれていますね。

この形状のグラスをフルートグラスといいます。

もっぱらスパークリングワインに使われます。

なぜ細長いのか。

か細い指の女性に優しいため・・・ではありません。

 

この形状ですと、空気に触れる水面の面積も小さく済む、これがミソです。

まず、細長い形状をしていることで、炭酸が抜けにくいんです。

そして、そこから1,2本、泡が筋になって昇っていくのが美しい・・・らしいです。

 

次に温度変化

冷やして飲む泡モノの場合、出来ればぬるくなってほしくないですよね。

この形状ですと、比較的あたたまりにくいんです。

 

※基本的なことですが書いていなかったのでここで。

ワイングラスは、ボウル(液体が入っているところ)は基本的には、持ちません。

手の温度でソッコーでぬるくなります。だめ。

脚を持ちましょう。大丈夫、握りしめなければ折れません。

 

オーソドックスな万能型:クラシコ型グラス

次に、右の画像で一番下の白ワインが入っているグラス。

一番みなさんが見慣れている形状ではないでしょうか。

 

たぶんファミレスなんかでグラスワイン頼むと、

赤でも白でもこれに注がれて出てくると思います。

クラシコとか言われたりもする、要するに万能型。

白ワインは勿論、赤ワインもミディアムボディまではいけます。

各種類揃えていない方や、揃えるほど違いを気にしない方なら、

スパークリングも日本酒もビールもいけます。

 

フルボディを楽しむボルドー型グラス 

その次は奥のグラス。

万能型くんを一回り大きくしたような形ですね。

これはボルドーといって、

その名の通りボルドーの赤ワインにマッチするといわれます。

あとはしっかりめの味わいの白ワインですね。

 

ワインは、温度が上がるとどんどん香りが広がっていきます。

これを「香りが開く」といいます。

そして少しずつ味も変わっていきます。

特にミディアム~フルボディの赤ワインは、

開けたてより、少し空気に触れさせて開かせたほうが飲み頃なんです。

ソムリエがワイングラスをクルクル回すのも、

コンクールの時に「ズジュルジュルズズズジュジューっ」って、

すするのも、(ここまで極端ではないですが)

ワインに空気を含ませるためです。

こうすれば、一口でワインの味がわかるって寸法です。

 

万能型くんより、ボルドー型の方が表面積が広い。

つまり、より空気に触れたほうがいいワインに向いている。

重めで、しっかりめで、濃いワイン。

それはボルドー産赤ワインを中心としたミディアム~フルボディの赤ワインだと。

だからボルドー型と呼ばれています。

品種で言いますと、カベルネ・ソーヴィニヨンメルローでしょうか。

 

華やかな香りをじっくり楽しむブルゴーニュ

最後に、右の画像の右側にいるふくよかなグラス。

ブルゴーニュと呼びます。

名前でもうお分かりかと思いますが、ブルゴーニュ産ワインに向いてます。

ブルゴーニュと言えばピノ・ノワールという品種が代表的です。

そして、ネッビオーロというブドウで造られたイタリアの偉大なワインも

このグラスに向いています。

これらのワインがどんなワインかと言いますと、

華やかでフルーティで芳醇(私この芳醇ってまだよくわからないです)なもの。

 

先に挙げた空気を含ませるのは、

こういった香りが楽しめるタイプのワインが最も求めるもの。

なので、これだけ口が広く、表面積も広いんですね。

一杯で沢山注げてお得!ということではないです。

 

一口にワイングラスといっても、これだけの違いがあるんです。

やってられませんね。

まずはクラシコ型を、

そしてスパークリングがお好きでしたらフルート型を買いましょう。

 

空気に触れさせる意味

グラスのちがいを説明してきましたが、

そこで空気に触れさせる、という言葉が出ました。

ワインが空気に触れると何が起きるか。

その1:温度が上がる

その2:香りがただよってくる

その3:味わいも変わってくる

 

ワインは、ボトルを開けたてのときはあまり香りがしません。

そのため、香りを楽しみたいとっておきのワインや、

逆に実はイマイチなんだけどそれなりっぽい香りで(お客さんに)出したい、

そんなとき、まずやるのがデキャンタージュというもの。

 

レストランで「赤ワイン、デキャンタで」と注文すると、

水差しみたいなサイズのガラスの入れ物で出てきたことありませんか?

あれは、

「1本は飲めないヨってお客さんのために、半分サイズで頼めるようにしました」

というお店のイキなメニュー展開ではありません。

(お店によってはそういう面もあるとは思います…)

デキャンタージュっていうのは、

グラスに注ぐ前に、カラフェやデキャンタと呼ばれる入れ物に入れて、

グルングルンまわすんですね。

すると、とっても強制的に、

ワインが空気と触れ合い混ざり合い絡み合いくんずほぐれつして香りが開くんです。

安ワインや、寝かせまくって寝ぼけ切ったヴィンテージワインの香りが。

ワインを美味しく提供する際のテクニックのひとつです。

 

ちがい3:シャンパンとスパークリングワインのちがい

スパークリングワインのことを全てシャンパンという人がいます。

ちがいます!

…これはワインあるあるのネタですが、あえて書きます。

 

まず、スパークリングワインとは、ようは炭酸のワインです。

通常の発酵を終えたワインに更に酵母と糖分をぶっこんで密封する、

という二次発酵という製法や、

出来上がったワインに糖分と炭酸ガスを人工的にぶっこんで完成、

という製法などあります。

前者の方が美味しいし高いです、当然ですが。

シャンパンはスパークリングワインの一種です。

シュワシュワしててワインであれば全部何もかもシャンパンではありません。

 

 

シャンパン(シャンパーニュとは、そのスパークリングワインの種類の一つ。

シャンパーニュとは、フランスのシャンパーニュ地方のことで、

そこで瓶内二次発酵で作る伝統的なスパークリングワインのことを、

シャンパンといいます。

 

ドンペリことドン・ペリニョンをはじめ、クリュッグ

ヴーヴクリコモエ・エ・シャンドン、ルイ・ロデレールなど、

高級シャンパンは全てシャンパーニュ地方で作られたもの。

(高級じゃないシャンパンも、当然シャンパーニュ産です)

 

じゃあ他にスパークリングワインで有名なものってあるのか?

あります。

日本で有名なスパークリングワイン、フレシネ

あれはスペイン、特にカタルーニャ地方伝統のスパークリングワイン、

CAVA(カバ、カヴァ)の1つのブランドです。

こちらも上級品もあるんですが、

日本だと比較的手に取りやすい価格のスパークリング、といった扱いの印象です。

 

その他ですと、イタリアにフランチャコルタというのがあります。

イタリアの北部、フランチャコルタ地方で造られる、

非常に繊細な味わいで、シャンパンに劣らない、上品なスパークリングワイン。

これもこの地方で、伝統的な瓶内二次発酵で造られないと、

フランチャコルタを名乗ることが出来ません。

 

あとはランブルスコという、イタリアのエミリア・ロマーニャ州という地方

(声に出して読むとたいてい「エミリヤ・リョミャーニャ州」になる)

で作られる、赤ワインの、微発砲の、スパークリングワインがあります。

これは甘口から辛口まで種類が豊富で、結構ファンがいます。

赤ワインですが微発砲性なので、冷やしても美味しいですし、

特に甘口のものですと、ベリータルトやチーズケーキなど、

デザートと合わせても美味しいです。

味わいとしてはライトボディなので濃くて重たい赤ワインが苦手な方でも、

美味しく飲める赤ワインでもあります。

これら全てが人気のゆえんでしょうね。

 

スペインバルで飲むやつは、名の知れたシャンパンじゃなければまずカバですし、

イタリアンレストランのワインリストには、

少なくとも1つはイタリアのスパークリングがあると思います。

その他、日本産のスパークリングもあるので、気になる方はぜひどうぞ。

 

いちいち細かいことでうだうだ言うなあ

と思われるかもしれませんが、

これは一応押さえておいた方が良いことなので、ぜひ。

「スパークリングワイン」って長い場合は、

「泡」でいいです。マジで。

 

 

ちがい4:ブドウ品種、産地、生産者でのワイン違い

これはですね、際限ないレベルで違いがあります。 

なので、以降別の記事で少しずつ、書いていきたいです。

 

乱暴に分けますと、

ブドウ品種の違いは、ワインの重さ軽さと味に影響を及ぼし、

産地の違いは、生育が向いてるブドウ品種を左右し、

生産者の違いは、それぞれ生産者がどんなワインを目指しているかで

製品たるワインの方向性が左右されます。

…当然のこと言ってますね。

 

「ちがい編」のワンコーナーで書けるほどのシンプルな問題でもなければ、

シンプルにまとめる文章力が私にはない。

そんなかんじで、以降の記事を乞うご期待…笑

 

ちがい5:ボトルの違い

さて、下の画像はワインボトルのイメージ図です。

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Photo: http://www.vectorvaco.com

 

5種類のワインボトルがありますね。

 

また、このデザインのボトルもありますね。

f:id:nain-hoppingnaranca:20161102160232g:plainこちらの方がなじみがあるかもしれません。

 

これらのボトルのデザインの違い、これは何の意味があるのでしょうか?

実は、ボトルの形は、ワインの造られた地方ごとの違いでもあるし、

そこ以外で造られたとしても、そのワインがどんな特徴があるものか

の目安になります。

 

これらはイラストのため一般化されていますが、

それぞれ呼び名があります。

上の絵から言うと、左から

ライン型またはモーゼル型(⑤)

ブルゴーニュ型(②)

アルザス型(④)

ボックスボイテル(⑥)

シャンパーニュ型(③)

といいます。

 

そして下の絵のものは、

ボルドー型(①)

です。 

 

それぞれ、番号順に見ていきましょう!

(番号は、私がメジャーだと思う順番でつけました)

 

ボルドー

ワインボトルというとまず浮かぶ、一番代表的な形です。

いかり肩のボトルとも言われます。

名前の通りフランスボルドー地方のワインはほぼすべてこの形。

そして、世界中の色んなところで、この形のボトルが採用されていますが、

このボトルを使っているワインの特徴は、

ボルドーワインの特徴に共通していることが多いです。

・複数品種をブレンドしている

(特にカベルネ・ソーヴィニヨンメルローを使用している)

・ミディアム~フルボディ(赤)

・複雑な味わいや香りが持ち味(赤)

・(どっちかというと)スッキリ(白)

ボルドー型のボトルのワインを見たら、

だいたい、およそ、おおざっぱに言うと、こんなワインのことが多いです。

赤ワインだと茶色か透明、白ワインだと透明か緑色のガラスでできています。

 

ブルゴーニュ

ボルドー型に並んでよく見るのがこの形。

なで肩のボトルとも言われます。

こちらもフランス、ブルゴーニュのワインはほぼすべてこの形。

ボルドー型同様に世界中で採用されている形で、

このボトルが使われているワインは、ブルゴーニュのワインの特徴に似ています。

・単一品種で造られている

(特にピノ・ノワールシャルドネで造られるワインはほぼ間違いなくこの形)

・基本的にはミディアムボディ(赤)

・味わいや香りがいわゆるエレガント(赤)

・味わいや風味がしっかりしている(ものが多い気がする)(白)

ブルゴーニュ型を見たら、

香りを楽しむワインなんだろうなあ、って思っていいです。きっと。

ボトルの色は赤白どちらも、緑色か透明です。

 

シャンパーニュ

つまるところ、スパークリングワインのほとんど全部がこれです。

パッと見の形状はブルゴーニュ型と似てますが、

実はガラスが厚手です。

中身の炭酸ガスの圧力に耐えられるように、というワケです。

コルクのフタが内圧で吹っ飛ばないように、金具で留めて、

それを金属フィルムで包んでいるのがオーソドックスな形です。

 

アルザス

アルザスというのはフランスのドイツ国境沿いの地域で、

スッキリとしてフルーティな白ワインを造ることで有名です。

画像ですとすべて同じ大きさですが、実際のアルザス型ボトルは背が高いです。

ボルドー型などと比べてスマートなのが特徴。

ボトルの色は緑色なことがふつう。

同様にスッキリでフルーティとした白ワインの場合、

アルザス以外の地域でもこのボトルを採用していることがあります。

 

ライン型またはモーゼル

ラインやモーゼルとはドイツの地域の名前です。

なのでどちらかの名前か、並記して呼ばれます。

こちらも細身で長身なボトルなのと、

スッキリ、フルーティな白ワインに使われることが多いので、

アルザス型と非常に似たボトルだといえます。

 

ボックスボイテル

さいごに、ずんぐりとした形状のボトル。

これもドイツ、フランケン地方のワインに用いられるものです。

名前の意味は「雄山羊の陰嚢」

なんという…

このボトルに入れられるのは、ドイツの原産地呼称制度でQ.b.A以上という、

つまり結構厳しい基準をパスしたワインのみ。

なのでこのボトルに入っている時点で、なかなかなワインだと言えます。

ドイツの白ワインですと貴腐ワインアイスワインなど甘口の印象が強いですが、

ボックスボイテルに入るのは辛口の白ワインです。

 

まとめ

そもそもである品種とかは除いて、グラスやボトルを中心に、ワインを取り巻く違いを書いてみました。
他にも「こんな違いがあるけど、なんで?」という疑問があったら、聴いて頂けるととても嬉しいです。

では!

 

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